1フィートは12インチ
なぜ12は使われ続けるのか

なぜ12という数字が使われるのか

1フィートは12インチですが、なぜ12なのか不思議に思ったことはありませんか?

わたしが12進数と出会ったのは小学生のころ、はじめて鉛筆を箱で買ったときでした。箱をあけると12本の鉛筆がきれいに並んでいました。そのときに12本という数が不思議だったのを今でも覚えています。

日本では、メートル法が一般的ですし、計算も10進法で行われています。ですから、12でまとめることに違和感を感じてしまうのでしょう。しかし、フランスでは20進法を基本に、12進法の単位であるダースや半ダースを使います。日本でも飲料などはダースで数える品物があります。

調べてみると、今では世界中で10進法が使われるようになっています。それにもかかわらず、12進数でが残っているのはなぜでしょうか。

ひとついえるのは、12という数字が2・3・4・6で割れる便利な数字ということです。

12進数の起源は古代エジプトから

12という数字の起源は思ったより古く、古代エジプトの暦と時間の数えかたにあります。古代エジプト人の文書が、現在までに発見されているもっとも古い時計の記録です。そこには、1日を昼と夜に分けてそれぞれを12に区切った日時計のことが書かれています。

紀元前3000年ころのことといわれますから、今から5000年以上前です。つまり12という数字は人類の歴史とともに使われ続けているわけです。さらに、なぜ12という数字がそんなに昔から使われているのでしょう?おそらく、星と月が関係していると思われます。

1年は365日ですが、これは星が同じ位置にくる日数でもあります。月は満ち欠けを繰り返し、およそ30日で満月になります。365日を30日で割ると12になり、これが1年は12の月がある理由とされています。

以上のことから、12は人類にとって最も馴染みの深い数字なのです。ちなみに10進数は両手の指の数からきています。そうやって考えてみると、ほとんどの単位は自然の法則と人体のパーツが起源のようです。

12はピザを分けるのに便利

ピザを注文すると切込みが入っていますが、いくつのピザに分けられているかご存じですか?そう12です。12に分けることで、3人でも4人でも6人でも等分できます。何も考えず対角線に切り込みをいれると、4等分、8等分、16等分となりますよね。でも、これだと人数によっては上手く分けることができません。12はピザを分けるのに最適な数です。

この何通りにも等分できるというメリットは非常に大きなものです。ピザではなく、工業製品で考えてみると分かりやすいですね。等分できる数が多い単位だと、設計がしやすく部品の使い回しが可能でコストを下げることができるのです。

まとめ

以上のように、12進法の歴史は想像以上に古く、先祖の生活と密着した数字です。もともとは時間を刻む単位だったものが、ほかのものを数えるときにも使われたのでしょう。昔は食料の確保が難しかったはずですから、3等分も4等分も可能な12進法は便利だったのに違いありません。